【登山初級者卒業】真夏の低山登山のレイヤリングは“ドライ”がキーワード。熱中症対策が最重要!

真夏の低山登山は高度もさほど高くなく、日中長時間高い気温の中で大量の汗を掻くこと、運動による体温上昇が長時間になること、長時間太陽光にさらされることなどから熱中症の危険が潜んでいて注意が必要です。
私自身も真夏に山梨県の九鬼山(秀麗富嶽十二景)に登った時、軽い熱中症になりました。朝から気温が高く上半身裸で歩きたいと思うほど汗が噴き出し、昼の食欲も無くなるほど。短いコースにも関わらずバテました。
この経験から、夏の登山は大量に汗をかいても、汗を吸い上げてウエアが肌に張り付かず、掻いた汗を外に拡散させて、体温の上昇を最小限にする服装=ドライレイヤリング=の考え方がとても重要だと痛感しています。
この真夏の季節のレイヤリングがあなたの今後の登山着のベースになります。そのほかの季節ではこれに防寒着などをプラスするだけで快適な登山を約束してくれるので、今後の登山を楽しむ上で参考になるのではないかと思います。
※レイヤリングの呼称は様々ありますが、ここでは肌着をアンダーウエアとし、順にベースレイヤー、ミッドレイヤー、アウターレイヤーと呼ぶこととします。
熱中症警戒アラートが出されている時の低山登山は避けるべきですが、ドライレイヤリングで予防対策をしっかりして、登る山をしっかり選べば真夏でも快適な登山・ハイキングが楽しめ、登山初級者から卒業です。

①夏のアンダーウエア:真夏の行動中の大量の汗を「素早く肌から吸って外に発散」、速乾性が求められます。

真夏の低山登山はとにかく汗をかきます。この大量の汗を肌に残さず吸い上げ、蒸れを外に逃し、常に肌をドライな状態に保つことが大事です。さらに適度な保温性があれば休憩時に汗冷えにならなくなります。まず一番下に着るアンダーウエアですが、私がずーっと気に入って着ているのがミレーのドライナミック メッシュ ノースリーブ(夏の暑い時はノースリーブ)です。どれだけ汗をかいてもベタつくことがありません。頂上についてまだ汗が吹き出している時にシャツを捲り上げると風でスーッと気持ちよく体温が下がります。メッシュの柔らかく厚みがある繊維が肌とシャツとの間に空間を作り常にドライ状態をキープしてくれます。特に暑い夏のシーズンにどれだけ汗をかいても常にドライでいられるのは、嬉しい機能だと感じています。

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夏はミレーのメッシュのノースリーブアンダーウエア。(自分も長く愛用しています)

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ショーツは透け感がないCW-Xの吸湿速乾ショーツにしました。

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女性の登山YouTuber(もじゃまるさん)は、①速乾性、②臭いにくさ、③締め付けすぎない(痒くならない)フィット感、という観点からファイントラック 登山用ブラ ドライレイヤーをお勧めしていました。

夏はこのブラ。臭いにくく程よいフィット感が良いそうです。

お揃いの吸湿速乾ショーツ。

②夏のベースレイヤー:肌とアンダーウエアの汗を吸い上げる「吸水性」と、その汗を外に出す「拡散性」が必要。そのドライ効果は汗冷えも防ぎます。

基本的にアンダーウエアの上に着る登山用シャツは長袖がおすすめですが、こと真夏の低山登山に限っては半袖シャツにして、体温を外へ逃すことを優先します。そしてアンダーウェアから汗を吸い上げる吸水性、吸い上げた汗をスムーズに外へ発散させる拡散性の高さが求められます。ドライ機能が高ければ汗が肌に張り付かず、休憩時の汗冷えを防ぐことにも繫がります。最近はニオイも抑えるというメリノウールの高機能シャツも出ており、選択肢が広がってきています。(前述の九鬼山には長袖で行ったのですが、袖を捲り上げてもシャツの熱気が取れず汗が籠り不快でした)なお、紫外線・虫刺されが気になる方はUVカット機能付きの接触冷感アームカバーなども出ておりますのでそちらをご検討ください。

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夏は半袖、モンベルの吸湿速乾Tシャツ。

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夏は半袖、メリのウールの汗の匂いの少ない肌触りのいいTシャツ。

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③夏のミッドレイヤー:朝風が冷たく感じたり稜線上で風に体温を奪われることを防ぐ軽量ウインドシェル。

夏山登山はなるべく気温が低い時間帯に動きたいので、早起きして登山をする方が全てだと思います。でも気温が低い歩き始めなどは通気性と防風・撥水性を兼ね備えた軽いウィンドシェルが重宝します。また、風の強い稜線上で体温を保つためにも。私はミレーの「ブリーズバリヤー ラインド ジャケット」を使っています。両胸に縦に内側の湿気抜きのジッパーが付いていて、これで体温を調整することができるので、とても気に入って使っています。

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涼しい朝の歩き始めや、風の強い稜線上で体温を逃さない。

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④夏のボトムス:脚力の不安を軽減してくれるとともに、涼しさを感じたいなら、機能性タイツと半ズボンの組合せという選択肢もあります。

女性でタイツとスカートや半ズボンという服装はよく見かけますが、最近は男性でもタイツと半ズボンを見かけるようになりました。私も最近は機能性タイツと半ズボンで登山することが多いです。やはり機能性タイツで年齢とともに落ちてくる脚力を補助したいのがいちばんの理由ですが、見た目も涼しいので夏山登山にはちょうどいいのではないかと思っております。

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足捌きも軽快に、脚力をサポートしてくれます。

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足捌きも軽快に、脚力をサポートしてくれます。

⑤夏の登山用帽子:頭頂部のメッシュが頭に掻いた汗を発散してくれます。紫外線が強い日はヤケーヌも併用。

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頭部がメッシュで蒸れにくい。

息が苦しくなく、涼感もあります。

⑥山の強い紫外線から肌を防御する日焼け止めクリーム。高機能で日常使いでも重宝するものを。

SPF50+/PA++++で、みずみずしいジェルできしまない。無香料だからどなたでも使えます。

まとめ

山では枝などから腕を守るため、長袖が基本だと考えて長袖シャツで臨んだ真夏の九鬼山。汗が腕に纏わりついてしかも汗が籠り大変な思いをしました。それ以来、暑いシーズンは半袖にすると決めました。最近は生地の開発技術が進んで、昔には考えられない登山に特化した機能を持つものがどんどん開発されているということ。GOA-TEXやメリノウールなどがその代表ですが、それは疲労の軽減になったりして裏で私たちの無事の下山に繋げてくれていると言ってもいいのではないでしょうか。まず、一番暑い夏の登山のためのドライなレイヤリングを揃えて、そこから寒い季節だったり高い山への備えをしていけば間違いはないと考えています。皆さんの登山の好き具合がどんどん上がることを祈っています。